つち式

征服の反復としての里山生活

冬のわが棚田である。長閑な景色に見えるだろうか。 だが、里山のなかでも特に棚田は、とても長閑とはいえない汗と力の産物である。山に階梯を刻みつける最初の造成はもとより、その維持にも不断の労力の発揮が不可欠なのだ。悠長に眺めつづけていては山にな…

里山へ

考えてみれば、自立した個人にとって同種他個体が必要なのは、再生産のためだけである。個人の生存にとって常時必要なのは、同種ではなくむしろ異種たちの存在である。 したがって、個人にとっては異種たちとの関係のほうが桁違いに切実であるはずで、日常的…

奥野克巳さんからの熱烈なご紹介について

先日、光栄にも人類学者の奥野克巳さんに『つち式』をご紹介いただいた。 『つち式』(@tschshk)読む。農耕実存マルチスピーシーズ民族誌現れる!ピュシス7割、ロゴス3割(文学と思想から成る)。退治した蝮肉を鶏と分け合い、鶏は可愛いくかつうまそうと語り、…

鼎談イベント予告

雑誌『つち式』創刊記念トークイベント 「生命の〈からまりあい〉に生きる」来たるべきマルチスピーシーズ的未来のために 東千茅×奥野克巳×石倉敏明 12月7日(金)19:00〜20:45(開場18:30)参加費 1,000円於 長崎書店3階 リトルスターホール(熊本県熊本市…

トークイベントのあとがき2

去る九月廿二日、鳥取県湯梨浜町は東郷湖にのぞむ汽水空港さんにてトークイベントの機会を得た。『つち式』の単独イベントとしては二回目である (一回目は大阪豊中のblackbird booksさんにて) 。 前回は大阪という都会で行ったが、今回は地方ということも…

見田宗介さんからの祝辞について

先日、なんとあの社会学界の大御所、見田宗介さんから『つち式』に祝辞をいただいた。 一足早い高原の祝福の日々に乾杯! 見田さんの著作には、日々を生きるうえでも、『つち式』を書くうえでも大変に励まされ、助けられている。そんな見田さんから祝福され…

トークイベントのあとがき

去る6月26日、大阪は豊中の書店blackbird booksさんにて、『つち式』*1の創刊記念トークイベントを開催した。 ―――― 【追記】 イベント音源は録音ミスにより失われたと書いたが、参加者として来ていた友人である間宮尊が別で録音してくれていたことが判明。Po…