野性奪還戰線

奈良の大宇陀に移住してきたやつのブログ

有給修行事始め

 本日から、ある方のもとでの「修行」がはじまりました。

 ある方とは、同じ大宇陀内の迫間(はさま)集落にお住まいの御年九十歳の森下さんです。僕の所属するSave Forest X(以下SFX)でも、棚田をお借りするなど、日頃から大変お世話になっているおじいちゃんです。

f:id:shhazm:20150422185506j:plain

 長年、写真の古民家やその庭、さらに上述の棚田を守ってこられたものの、さすがに年齢には勝てず、現在棚田は我々SFXが管理させていただいております(もちろん、手取り足取り教わりながら)。

 こうして、棚田に関しては第一線をしりぞかれたわけですが、庭や畑などは、今までたったお一人で驚くほどきれいに管理されていました。しかしそれも、最近お体をわるくされたのが原因で、滞りがちになっていたそうです。

 そして、どうにも自分だけでは難しいという折も折、同じ大宇陀内の古民家にちょうど僕が管理人として移住してきたということで、目下仕事のない東にあつらえ向きだとお声がかかり、森下邸で諸々お手伝いをすることになったという次第です。

f:id:shhazm:20150422195205j:plain

 このように、森下邸はまことに壮麗でありまして、納屋の外壁には、なにやら宇陀市お墨付きの古民家であるらしい表示まであります。お庭も相応に広く、さらに細部にまで行き届いた手入れがほどこされてあります。それも、僕なぞは居心地がわるくなるほどに。

 朝、仕事内容に一抹の不安を感じながらお宅に到着し、森下翁に言い渡された本日の作業項目は、まず屋根と庭の掃除、そして以前剪定した枝の運搬——。「やっぱりまずは掃除ですよねー」と、とりあえず笑顔で快諾したものの、内心「終わるんかいこれ」と思いましたよね。

 庭を竹箒で掃いていると、「粗方でええからな」となん翁のたまふ。それも十分に一回くらいのたまふ。「粗方ってどれくらいやねん。俺の『粗方』でやったら怒りはるやろうしな。いや、これは俺を試してはるんや。これで手抜いたら負けや」と思って、克己心を奮い立たせて掃きましたよね。途中で何回も、自分の感情が煩悩とともに彼方に飛んで行くのがわかりました。

 こんなかんじで、その他詳しい作業内容は省きますが、一言で述べるならば、本日の作業の半分以上はThe 作務。きょうだけでも、五回は悟り開きました。

f:id:shhazm:20150422204217j:plain

  とまあ、そんなこんなで、無事に一日の作業も終わり、非常に感謝され、お賃金もいただき、お土産としてみかんやハム(!)までもいただきました。はたして翁の御意には適ったのか、その本当のところは定かではありませんが、なにはともあれ、修行第一日目終了です。