田舎に仕事がありまくる件について

 どこのどいつだ、田舎には仕事がないなどと言ったやつは。

 若干の不安を携えていざ田舎に来てみれば、方々から声がかかり、引く手数多という状況である。草刈り、庭木の剪定などから、材木屋、水道屋の仕事まで諸々ここにはある。どうやら、私のような色々な技術習得に意欲的な若年移住者は、「使いやすい労働力」であるらしい。

 尤も、定職に就きにくいのは確かだろう。だが、今どき、田舎暮らしがしたくて、田舎で定職に就きたいやつがどこにいる。私のような者は、田舎における暮らしの術を総合的に身につけたいと思っているのである。

 日替わりで様々な仕事を学べて、賃金をも貰えるのだから、こちらとしてもそれは望むところだ。おまけに、なんの知識も技術もない身であるにもかかわらず、よく動きさえすればそれだけで有り難がられ、ちょっとした充実感まで手に入る。田舎暮らし見習いとしては破格の境遇だろう。

 それだけ今、田舎には若者がいないということだ。つまり、田舎暮らしに興味のある若者にとって、今はこの上ない好機だろう。とにかく最初、好きな田舎に通って、何か糸口を見つければよい。関係は、一つ繋がれば後は勝手に繋がってゆく。

 田舎には、家も畑も山も仕事もそこら中に転がっているし、田舎は君らを喉から手が出るほど待っている。だから若者よ、都会で燻ってないでさっさと田舎に行け。