主食自給作戰概要

  来年、つまりこちらに移住して二年目は、うるち米の自給栽培に乗り出したいと思っている(無論、今春から始めている野菜の栽培も継続し、収量増加、規模拡大を図るつもりだ)。

f:id:shhazm:20151222195423j:plain陸稲栽培予定地の棚田)

 すでに遊休田を借受ける話はつけてある。あとは、今冬のうちに当該地の整備、来春までに品種の選定と種籾の入手をする必要がある。

 ちなみに栽培法は、一般的な米栽培におけるような水田で機械を用いる栽培は考えておらず、陸田つまり水を入れない田地での、最低限の直接的労働による直播き栽培を試みる。理由は二三ある。まず以って、耕起、貯水、苗植えの労働工程を省くため、ついで、簡略した陸田栽培の定型確立のためだ。要するに省力化および簡素化、ならびにその様式化を目指すのである。

 今冬の田地整備とは、当該地における頑強な野生植物の除去とソラマメの栽培だ。数十年栽培が行われず、定期的な草刈りのみ為されていたその遊休田は、部分的に頑強な野生植物が侵入しており、栽培用地に戻すにはそれらの根を除去する必要があるように思う。また、裏作の緑肥作物としてソラマメを栽培することで、土壌内の窒素量を増やすことができると考えている(マメ科の植物は根粒菌共生し、土壌内に空気中の窒素を固定する働きがある)。

 米の品種は、うるち米の陸稲種、もしくは水陸両用種とも言うべき強健な種を候補として考えている。日本では、目下栽培されているうるち米の九割以上が水稲種であるらしいが、陸稲種もあるにはある。手近なところでいえば、野口種苗で「陸稲農林24号」が販売されている。また、同じ野口種苗で、かの福岡正信氏の育成した「ハッピーヒル」が陸田栽培可能種として販売されているほか、コシヒカリの突然変異種と言われ、強健且つ柔軟とされる「イセヒカリ」も、陸田栽培に耐えうる品種らしい。私が得ている情報はこれくらいだが、今のところはハッピーヒルとイセヒカリとを植え比べてみる心算だ。

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福岡正信著『藁一本の革命』英語版表紙)

 以上縷々述べたが、要は、いかに自力で(できればラクして)主食である米が得られるかというのが私の関心事なのであって、それが成った時、私の野性や尊厳もいくらかは奪還できる気がするのである。