すごもりびと とをひらく

 季節は二十四節気で「啓蟄」、七十二候では「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」である。春らしい気候になり、まさに暦どおり、畠ではカエルやトカゲの姿が見られるようになってきた。

 梅や椿や蕗や、その他無数の植物たちも花を咲かせ、ひしめきあい、地上はたちまち賑わいをみせる。それぞれがそれぞれの歌をたからかにうたいあう、生命の大合唱が聞こえてくるかのようである。

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 春の陽気にさそわれて外界への戸をひらいたのは、なにも「虫」や草木だけではない。わたしも、冬のあいだあんなに億劫だったのが噓のように、戸外へおどりでる。春の歓喜の輪のなかに入ってゆく。

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 爛漫とうたう彼らと目くばせしながら、わたしも春を謳歌しようと思い、今週は空の下でさまざまのことをした。

 以下にその一部を掲載する(写真を撮ったのがこれだけしかない…)。

 

  • 鶏小屋建設予定地に植わっていた梅の移動

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  大阪から友人が一人手伝いにきてくれたので、鶏小屋を建てる場所にあった梅の木をべつの場所に移した。掘りあげて(一枚目)、棒を渡して肩にかついで運び(二枚目)、棚田の最上部に移植した(三枚目)。これでようやく鶏小屋の建設にとりかかれる。

 

  • 梅の剪定ならびに配布

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  上述した梅の木を移すにあたり、邪魔になる枝を切ったのだが、捨てるにはしのびず、の前でくばることにした。はからずも元花屋にふさわしい絵になった(一、二枚目)。あまりに好評だったので、後日ちょうど剪定しなければならなかった他の梅の木も切って配布した(三枚目)。いずれも日を置かずに「完売」した。

 

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 かねてから、学生時代にしていた弓道を再開したいと思っていたのだが、古い畳を三枚ならべ、そこに的を描いて簡易の野外弓道場をつくったみた。借りている棚田に隣る広場なので、作業のあいまに弓を引けるという寸法だ。(なお畳は、たまたま近所の方に訊いてみたところ、不要になったものをいただけた。なんでも言ってみるものである。)