2018-01-01から1年間の記事一覧

里山へ

考えてみれば、自立した個人にとって同種他個体が必要なのは、再生産のためだけである。個人の生存にとって常時必要なのは、同種ではなくむしろ異種たちの存在である。 したがって、個人にとっては異種たちとの関係のほうが桁違いに切実であるはずで、日常的…

農耕実存所信表明二〇一八

今年の稲こぎをおえ、大豆の収穫・乾燥の時期にさしかかったこの頃、来年以降の動きについて考えることが多くなってきた。 これからの展開として、①綿花栽培からの衣服自給にくわえ、②棚田のまわり、殊に棚田の用水としての沢の上流の杉林を雑木林に変えてい…

愛され上手の生存戦略

棚田の土手にリンドウが増えてきた。よろこばしいことだ。 この放棄されていた田んぼをやりだした二、三年前には、リンドウは数株しか残存していなかった。それまでは年にせいぜい二回ほどしか草刈りが行われておらず、いきおい全体的に草丈が高く、リンドウ…

奥野克巳さんからの熱烈なご紹介について

先日、光栄にも人類学者の奥野克巳さんに『つち式』をご紹介いただいた。 『つち式』(@tschshk)読む。農耕実存マルチスピーシーズ民族誌現れる!ピュシス7割、ロゴス3割(文学と思想から成る)。退治した蝮肉を鶏と分け合い、鶏は可愛いくかつうまそうと語り、…

鼎談イベント予告

雑誌『つち式』創刊記念トークイベント 「生命の〈からまりあい〉に生きる」来たるべきマルチスピーシーズ的未来のために 東千茅×奥野克巳×石倉敏明 12月7日(金)19:00〜20:45(開場18:30)参加費 1,000円於 長崎書店3階 リトルスターホール(熊本県熊本市…

トークイベントのあとがき2

去る九月廿二日、鳥取県湯梨浜町は東郷湖にのぞむ汽水空港さんにてトークイベントの機会を得た。『つち式』の単独イベントとしては二回目である (一回目は大阪豊中のblackbird booksさんにて) 。 前回は大阪という都会で行ったが、今回は地方ということも…

見田宗介さんからの祝辞について

先日、なんとあの社会学界の大御所、見田宗介さんから『つち式』に祝辞をいただいた。 一足早い高原の祝福の日々に乾杯! 見田さんの著作には、日々を生きるうえでも、『つち式』を書くうえでも大変に励まされ、助けられている。そんな見田さんから祝福され…

おれの鳥はうたっている

街をほっつき歩いてだよ、くたびれたら、こうやって休むんだ。それで一番飲みたいものを飲む。それでいいだろ?それ以上、つべこべ考えることはないよ 八月に入ってから、本を読みたいという波が久しぶりにやってきている。 佐藤泰志著『きみの鳥はうたえる…

トークイベントのあとがき

去る6月26日、大阪は豊中の書店blackbird booksさんにて、『つち式』*1の創刊記念トークイベントを開催した。 ―――― 【追記】 イベント音源は録音ミスにより失われたと書いたが、参加者として来ていた友人である間宮尊が別で録音してくれていたことが判明。Po…