野性奪還戰線

奈良の大宇陀に移住してきたやつのブログ

日記「エンヂンの音」

九月廿五日(月) 草刈り、刈り草集め、昼飯、英語の勉強、草刈り。 昨晩の「枝豆まつり*1」で飲んだから、一日の開始が幾分おそかった。 * わたしが田んぼを借りている家にこんな短歌が残っている。 エンヂンの音のみ響く 孤独なり継ぐ者無き田の畦草を刈…

日記「生前天国」

九月十七日(日) 颱風が直撃するというのでハナから休み気分で起きたら、全然雨が降っていない。それなら、ということで、見まわりとイナゴ*1捕りだけでもしようと田んぼに行く。行ったら行ったでじきに雨が降ってきて、早々に切り上げて帰ってきたらきたで…

日記「あたりまえに尊い」

九月十六日(土) 颱風接近にともなう雨で野良仕事ができずにずっと家にいる。朝からビールを飲みながら、アマゾンプライムで海外ドラマ(『ダウントン・アビー』)を見たり、小説(『存在の耐えられない軽さ』)を読んだりするが、退屈をしのぎきれない。 …

さようなら

一時の人恋しさで誰かに会ってもいいことはない。そう経験則として知ってはいるものの、こう一気に秋めいては閉口する。 大切な人を先日亡くした。 森下さん、享年九十二。 一昨年、大宇陀に移り住んだばかりの右も左もわからないわたしに、病いをおして野良…

至福の反復としての里山生活

今年も夏がきて、米作りの仕事が増えてきた。 わたしはいま、棚田に水をためるための畦塗りを順次すすめている。土と水と天気を相手に、相談し、挌闘し、懐柔し、歎願しながら、和解してゆくのがおもしろい。 (畦塗りをしてそこに大豆を播く。刈り草を乾燥…

鶏を育てて絞めて捌いて食った

先日、飼っている名古屋コーチン*1をはじめて食った。 昨年十月に雛で買ってきたから、生後約半年、この鶏種でちょうど若鶏にあたる。卵をぼちぼち産みだしたところで、こんなに早くつぶす予定はなかったのだが、調子がわるくなり*2、恢復の見込みがなかった…

米を作ってから来い

米を自分の手足*1で作っていない者の言うことは、とりあえず聞かなくてもよいとわたしは思っている。 考えてもみてほしい、生存必需品の筆頭たる食糧を、(作ろうと思えば作れるにもかかわらず)自分で作らないままに発せられる言葉とはいったい何か。米を作…

味噌を仕込んで

立春に入ったきょう、はじめて自分で作った大豆で味噌を仕込んだ*1。 大豆栽培・味噌作りは、わたしにとって米作りに次ぐ重大事である。 これら二つは、自給生活における「食」カテゴリーの仕事の最優先事項であるばかりでなく、下位を大きく引き離している…

若さの安売りについて

起きているあいだは、意識しないときでさえ、俺はずっとイライラしている。それが長く続いているせいで、アイデンティティの基調にすらなっているほどだ。 同世代への苛立ちがその最たるものである。以下はだいぶ前に書いた文章だが、さっき読み返してみて現…

「無政府米」栽培宣言

権威には楯突かねばならない。 どんなものであれ、あらゆる権威は悪である*1。権威を揮うことや持とうとすることはいうまでもなく、権威に擦り寄ることも、権威に屈することさえも、おしなべて悪である。 人の上に立つことも、人の下に立つことも、まったく…

自給行為にまつわる骨抜き問題について

きのう、鶏舎の柵の扉が完成した。その野趣に富むデザインはわれながら見事だと思っている。 そこでドヤ顔でfacebookに投稿した。 しかし、この投稿の、以前の綿花についての投稿よりも反響がすくなかったことは、ある種の「ズレ」をわたしに感じさせる。 た…

耕さない農耕

わたしが畠をするのは、農業の道を極めたいからではない。はたまた、自身の健康や食の安全を目がけているのでもない。まして商売のためでは全然ない。 わたしは、生活をある程度自給したいと思っている。そしてその先で、人間の生身と風土の側から文化を建て…

十一月の作業予定

ここ数ヶ月は大阪に行く用なども多かったし、なんとなくそういう気分でもなかったから、表立って手伝いを募ってはいなかった。それが今度は誰かとともに作業したい気分になってきたので、ふたたび「協力隊」を募集する。 予想される作業内容 落花生の収穫 竹…

鶏舎建設まとめ

先日、ようやく鶏小屋が完成した。 おもえば、三月末に建てはじめてから五ヶ月もかかった。といっても、梅の咲きのこる時分に柱だけ立てて、それから七月末までは完全に放置していた。すぐに農繁期に入り、構っていられなかったのである。柱を立てれば、忙し…

もってこいの日

今朝、外に出てみると、昨夜の大雨が嘘のように、空は青く、空気はいやに乾いて澄んでいる。颱風10号が、この辺一帯のあらゆる湿性のものを連れ去ったらしい。地上の一切のものは洗われて、清潔にきらめいていた。 気温も低い。まるで秋だ。夏も颱風に引っぱ…

夏の夜の対流圏

大宇陀の夏の夜はすばらしい。おそらくは標高や地形の加減で、昼と夜の気温差が著しいこの土地では、夏の盛りであっても夜になれば涼しくなる。 ここでは熱帯夜になる夜はほとんどない。それゆえ夜間はクーラーなどいらない(事実、わが家をふくめクーラーを…

棚田全段流し素麺ふりかえり

八月十五日、棚田を全段使って流し素麺をした。 全長は100メートルほどだろうか。大量の竹を切ってきて、炎天下、皆で割り、節を抜き、継いで、棚田に渡すまでの作業はなかなかの重労働だった。 はじめての試みだったこともあり、当初の想定より時間がかかっ…

日記 八月二日(平成廿八年)

晴れ時々曇り、夕方に驟雨。 ✳︎ 寝坊。8時から畠に出て野菜の世話など。10時、森下さんを診療所に迎えにいったのち、水利組合の集金(今年は森下さんが担当)の運転手。そのまま昼食をご馳走になり、森下さんをお家に送り届けたのち、木陰で昼寝、読書。 15…

明日、死ぬかもしれないということ

時折、現世への、またこの生への興味がさっと引いてゆき、何をする気も起こらなくなることがある。 こういう気分はたまにやってくる。ある時はこれが鬱というやつかと思ったこともあるが、そういうものとはどうも違うらしい。気がふさぐわけではない。ただた…

ステキな行方不明

行方不明! なんと甘美な響きだろう。ニュースなどでこの一語を見聞きするたびに、僕はつねづねそう思ってきた。 われわれは生きているかぎり、日々履歴を積み上げてしまう。それは人を支えもするが、制約しもする。僕にはそれが煩わしくなって、世間からも…

日記 七月廿四日(平成廿八年)

晴れ、ときどき曇り。 ✳︎ 6時半起床。最寄りのコンビニで買ったコーヒーを飲みながら『南の島のティオ』(池澤夏樹著)を読みすすめる。8時から、野菜の世話、田んぼの草取り、米ぬか撒き。11時、一旦帰宅し昼食、読書。12時半、再び田んぼの草取り、等々。1…

日記 七月十七、十八日(平成廿八年)

(ゴマダラカミキリ) 十七日 曇りときどき雨 ✳︎ 午前、野菜の世話、水田の草取り。午後、友人が来てくれたので鶏小屋の建設作業。 十八日 終日晴れ ✳︎ 午前、陸田の草刈り(手鎌)。午後、もう一つの畠の世話、畦草刈り(刈払い機)。 —————— 田植えが終わ…

日記 七月十四日(平成廿八年)

未明に雨、のち曇り時々晴れ、夕方に小雨。 ✳︎ 早朝、田んぼの巡回と野菜の世話をひとしきり。その後昼まで棚田の草刈り。一旦帰宅、昼飯。きょうはさほど暑くなく、シャワーも昼寝もなし。昼からも日没まで棚田の草刈り。 (雲が多かった) —————— きょうは…

日記 七月十二日(平成廿八年)

曇り、時々雨、のち晴れ。 9時頃から雨との予報が昨晩から出ていたので、それまで草刈りをしようと思っていたら、夜更かしが祟って寝坊、8時前に起床。意気くじけて、森下さんを迎えにいくまでのあいだ、コンビニのコーヒーをすすりながら書きかけの文章を進…

日記 七月十日(平成廿八年)

概ね晴れ。 6時、森下さんの村の草刈りと溝の泥上げ(この辺ではこういうのを「出合い」と呼ぶ)に代理で出る。10時頃に解散後、田んぼの見まわり、つづいて昼すぎまで今季最後(今度こそ!)の黒豆を播種(もうやめとこうと思っていたのだが、種と畝が余っ…

日記 七月九日(平成廿八年)

未明から大雨。 早朝に田んぼの点検だけ済ませ、帰宅、家をすこし掃除。車で森下さんを診療所に迎えにゆく。ついでに役場に寄り、参院選の期日前投票を済ませる。森下さんを送り届けた後、榛原の目医者にコンタクトレンズの検診に行く。帰りにコンビニでコー…

数日前の暮れ方、畠にある栗の木の切り株に、セミの幼虫が這い上がってくるのに出くわしました。 種類までは不案内でわかりませんが、ものによっては十数年、土のなかで暮らすのもあるとか。あまたの危機をくぐりぬけ、満を持して地上に出てくるのでしょう。…

日記 七月七日(平成廿八年)

早朝から、刈払い機で森下さんのところの草刈り。あまりに暑くなってきたので、手鎌に持ちかえ11時頃から昼までお家の裏の斜面(日陰になっている)の草刈り。この時点で汗だく。 一旦帰ってシャワー、ビール、昼飯(この時期は素麺にかぎる)、昼寝。 15時…

アレロケミカルがありあまる(日記)

前回の「日記」で、フェロモン (生物の同種個体間に作用する物質) の圏域への、わたしの欲求について触れた。わたしにとってものを書くことは、ニンゲンという同種個々体へむけた、ほとんど一方的な発信であると。そして、わたしがそうせずにいられなかっ…

六月の作業予定

農繁期、月日はあれよあれよという間にすぎてゆく。予定を書く間もないまま六月に入ってしまった。 旧暦でも明後日から五月、暦のうえではすでに夏に入っている。春、淡かった陽射しは日増しに濃くなり、それに応えるように草たちもつぎつぎに伸びてくる。も…